古民家になっても愛される家でありたい

『時間の流れ』と古民家

私(粟野徹)が好きな本にヘルマン・ヘッセの『シッダールタ』という小説があります。この本には、この世で人をもっとも苦しめているのは『時間の流れ』だと書かれてあります。 『期限』、『年齢』、『過去』、『将来』など『時間の流れ』を意識するとき人は非常に苦しむことがあります。そして焦ったり、追い詰められたり、絶望したりもします。
そんな時間を意識しながら日々を送る中、『時間の流れ』を忘れてしまったかのような佇まいの古民家は、人に安心感を与えてくれます。古民家には長い年月に耐えてきた木の家の独特の風格があります。それは大自然が持っている様な風格です。『古民家』という言葉は『空』、『山』、『川』などの大自然を表す言葉と通じるものがあります。
そんな古民家になれる家を残していきたいと日々願っています。

古民家になれる家とは

最近和風住宅は少なくなりました。 しかし、和風住宅は基本となる柱、梁などの構造材が骨太で長い歳月に耐える素質を持っています。
それに対して、今の建物は構造材が細くても合板などなどを打ち付けた壁で建物の強度を持たせる構造となっています。
古民家になれるのは壁がないと自立できない今主流の構造でなく、骨太の構造材だけで自立できる伝統的な日本の技術による家だと信じています。
これまで粟野ハウジングは和風住宅にこだわり造り続けてきましたが、残念ながら立派な古民家になれる素質を持っている家が壊されてしまう時代になってしまいました。
壊す前に古民家として長く残せる家であることを伝えることができれば幸いです。どうぞ、1度ご相談ください。(下の写真は粟野ハウジングの骨太の構造材による和風住宅)

H邸

門には日本建築の伝統の技術が凝縮されている

最近薬医門を造らせていただきました。(下の写真)
薬医門には一切壁がありません(本体部分)。柱、梁、貫などの軸組だけで支えられています。筋かいや構造用面材の壁で支える現在の木造建築とは真逆の構造といえます。
壁が無くてもグラグラしない構造を作るのには高い技術が必要です。
現代薬医門 現代薬医門
門には次のような伝統工法の技術が使われています
《長ホゾ》梁せい全体を貫通する穴を掘り、柱に梁せいと同じ長いホゾをつけて差し込む。
《差し鴨居》梁のような大きさの鴨居を柱に指すことで強度を持たせる。
《通し貫》柱を貫通する穴を掘り、構造材的な太い貫を通すことで強度を持たせる。
このような伝統的な日本の技術により壁が無くても骨太の構造材だけで自立できる造りとなっています。


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